子宮頚癌 -その2- HPVワクチン1

子宮頸癌の原因がHPVというウイルスであることは間違いないでしょう。HPVはありふれたウィルスで性交経験がある方では80%は一時的に感染するのではと言われています。ほとんどの場合は一過性の感染で、自然に排除され約10%位が持続感染となり、さらにそのなかの200-300人に一人が数年かけて癌となります。癌になる時も、軽度異形成、中等度異形成、高度異形成、上皮内癌、微小浸潤癌を経て浸潤癌となります。
原因のHPVには100種類以上の型があり、このうちの約15種類にハイリスク型といわれ子宮頸癌の原因と考えられています。その中でも16型と18型は悪性化が早く高頻度に検出されるため、この型に有効なワクチンが作成されて、日本でも認可されました。タイプが限られていますので、その有効性はアメリカで80%、16型と18型の頻度が低い日本では60%位の有効性と考えられています。従いまして、HPVワクチンは決して、「子宮頸がんワクチン」ではありません。問題は、HPVワクチンがターゲットとしている16/18型でのリスクを下げるものの、他の型が原因でのがんを予防しきれないこともあり、「接種すればがんにならない」という誤解を与えかねないことに注意が必要です。また、ワクチンの効果は現在6.4年以上にわたり継続することが確認されていますが、それ以上はまだ効果が確認されていません。
また、接種は11-14歳が第一に、15-45歳が第二に推奨されていますが、現在の摂取平均は31歳と高い年齢となっています。明らかなデーターとしてあるのは26歳までの人には、Sexの有無、HPV感染の有無、異形成があるかどうか無関係で効果があるというデーターがあります。HPVに感染している人にワクチンを接種した場合、異形成に進行する可能性が増加するという報告があります。ただ、全体的に考えると約50%の効果があるようで、有効だということです。この日本の45歳までというのは確か効果があるという治験がアメリカでさらアメリカのFDAという機関に承認を申し込んだということまでは確認しているのですが、その申請がどうなったかは不明です。もう少し時間があるときに、調べてみる予定です。年齢が高くなると持続感染の割合が増える筈だから、有効率は低くなります。さらに、タイプを考えると日本では効果がさらに下がる可能性があります。

次回はネットに出ている賛否両論の意見について考察してみます。

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