つわりを乗り切りましょう

つわりは、吐き気、嘔吐、好みの変化などの症状をいいます。頭痛や眠くなるなどという症状の方もいます。妊娠5週ころから始まって、9週ころにもっとも強くなり、それから先は軽くなり、12週には多くの方で消失します。この時期を乗り切るためには、御本人だけでなく周囲の御協力が必要です。

つわりを悪化させないために

無理をして食べる必要はありませんが、水分は十分にとるようにしましょう。「食べたいものを、食べたい時に、食べたい量の7割位食べる。」と言う事に心掛けて下さい。
 さらに次の事をお薦めしています。食べて吐くということを繰り返していると、食道があれて症状が長引く原因となります。
 料理をお休みすることを強くお薦めします。御飯を炊ける時の匂いで吐き気がする人が多いようですので、つわりの間は料理を簡単にしたりすると良いと思います。上のお子様がいる方は御主人が是非協力して頂けたらと思います。お仕事される人は、お休みされる前に勤務時間の短縮をお申込みになってはいかがでしょうか。経験上、環境の変化は余り良い方向にいかないので、混雑している通勤時間帯を避ける、途中休みを取るなどで勤務時間の短縮を申し出て考慮して頂きましょう。これには診断書とかは不要です。もし必要と言われたら母性健康管理指導事項連絡カードを使いましょう。本来は労働基準法で「妊婦さんから請求があったら、軽易な業務に転換することが出来る」(65条)という規定があるので、カードはいらない筈ですが、上手く行かないのでカードができたんでしょうね。参考ですが、64条には「使用者は、妊産婦を重量物や有毒物を扱うような有害・危険な業務につかせてはならない」と言うものもあるんですよ。

酷くなると妊娠悪阻と言う病気になります

つわりがさらにひどくなって、食物や水分がほとんど口から入らず、体重がいちじるしく減ってしまったり、日常の生活ができなくなるような状態となると病気で「妊娠悪阻」といいます。必要な糖分やカロリーの摂取が不足し、からだの脂肪分を分解してエネルギー源に使用するようになり、ケトン体という分解産物を生じ、これがまた症状を悪くし、悪循環に陥ります。ケトン体は尿に排泄されるので、当院では妊娠初期でも尿検査をするのはこれを検査するためでもあります。母性労働協会のマニュアルでは休業とする妊娠悪阻の基準について次のように書いてあります。
「1週間に3~4kgの体重減少のある場合、尿中ケトン体が(2+)以上を示す場合、脳症状や肝機能障害(GOT、GPTが100lU/ℓ以上)を示す場合」
このような場合には点滴に毎日通うとか、入院して点滴するなどが必要となります。

こんな時は受診して下さい

こんな時は受診して頂き、お話を聞いて、検査も必要です。
 1日に何回も吐いて水飲めない。
 体重がどんどん減ってしまい、1週間で2㎏以上減っている。
 数日間、おしっこの量が減り回数も減って濃い色になった。
 当院通院中の方はメールで御相談頂いても結構です。

つわりに良い食べ物は

つわりの時に良いものは「食べたいもの」なんですが、食べたいものがない時やいろいろな方から聞いたものを書いてみました。
 冷たいトマト:結構多いように思います。定番の柑橘系より多いイメージがあります。 飴:お腹が空くと吐き気が強くなる人に最適です。
 アイスクリーム:口当たりが良く、カロリーも高いので良いですよ。
 小さなおにぎり:冷えてないと駄目
 素麺
 飲み物:理論的に一番良いのはOS-1でしょうね。ポカリスエットやアクエリアスも良いのですが、甘さが口に残って嫌な人は2倍に薄めて冷やしてみては。後はカルピスウォーターや炭酸類など人によって様々です。

まとめ

つわりは凄く個人差がありますし、同じ方でも妊娠の度に異なります。料理を始め家事の事や職場の環境などによって、少しでも楽に過ごせると良いなと思います。妊婦さん以外、御主人などにも読んで頂き参考になれば良いのですが。

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