女性の健康に輝きをもたらすプラセンタ注射の効果と安全性

　プラセンタ療法とは、胎盤から抽出された有効成分を利用した治療法です。プラセンタ療法についての認識は、メディアの露出度によって変わることがあります。最近では情報提供が以前に比べて控えめになったため、一部の人々はこの治療法の存在を忘れがちかもしれません。しかし、プラセンタ療法の提供する健康上の利益は依然として幅広い範囲にわたっています。現在健康保険で認められているのは注射薬のみですので、この投稿では注射療法について書いていきます。

プラセンタ注射の効果

　プラセンタ注射にはアミノ酸、核酸、塩基、ミネラルなどが含まれており、体内の自然な治癒力を高める手助けをすると考えられています。現時点では有効成分としての特定の物質は同定されていません。今の所、分かっている成分と未知の成分が複合的に作用して色々な効果があるのではないかと考えられています。療法の対象となる症状や状態は多岐にわたり、経年による体力の低下や免疫力の減退に対しても効果が見込まれているため、幅広い年齢層の患者に推奨されています。さらに、肌の再生能力を促進することでアンチエイジング効果が期待され、美容クリニックなどでも利用されています。その効果は更年期障害、自律神経失調症、美白・保湿などの美容効果、肌荒れ、アレルギー、疲労、不眠症などに及ぶと言われています。　日本で認可され保険適応となっているのは、プラセンタ注射薬で2種類あります。1種類が更年期障害、もう1種類は慢性肝疾患治療に保険適応が認められています。

プラセンタ注射についての懸念と安全性

　プラセンタ注射に関しては、多くの利点がある一方で、幾つかの注意点が存在します。献血の可否に影響を及ぼすこと、さらには未知のウィルス感染の可能性を完全には否定できないという点が挙げられるでしょう。
　しかし、安全性に関しましてはB型肝炎、C型肝炎やHIVなどのウィルス感染のないことが証明されている、国内の満期正常分娩した女性から提供される胎盤を使用しているため、一般的な感染症の心配はありません。また、製造過程においてプラセンタ中の血液はすべて除去されるので当然、注射剤には血液は含まれていません。ただ、現時点では、プラセンタ注射によって、変異型クロイツフェルトヤコブ病（ヒト型の狂牛病）に感染するリスクが０%とは言えないため、献血ができません。献血ができないのは、もし感染した方が献血すると、その血液によって輸血を受ける多くの方へ感染を広める危険性があるとの日本赤十字社による配慮からです。しかし一方で、変異型クロイツフェルトヤコブ病（ヒト型の狂牛病）は、プリオンという特殊なタンパク質によって起こるとされるため、酸による加水分解でプラセンタ中のタンパク質をアミノ酸に分解し、そして最終滅菌（１２１℃　３０分間）するなど、感染に対する万全な安全対策が講じられています。また、変異型クロイツフェルトヤコブ病（ヒト型の狂牛病）にかかる危険性は、日本で普通に生活していれば１億人に0.1～0.9人であり、このことと、狂牛病が流行った時期に流行った地域への海外渡航歴がないことを確認した国内の満期正常分娩した女性の胎盤を使用していることを踏まえると、まずほとんど０%に近いとは言えると考えられています。ですから、一般的に、プラセンタ注射は安全性が高く、ほとんど危険性がないと言えます。

　副作用としては、注射部位の疼痛や発赤、発疹などが報告されていますが、他にどのような薬でも起こりうるショックなどの可能性もありますが、一般的には安全であると言えます。総合的に見ると、プラセンタ注射はその安全性に関して高い基準を満たしており重大な危険性を伴わない治療法として認識されています。

プラセンタ療法の実際

　質問紙法とホルモン検査で更年期障害の診断を受けた方やホルモン検査で卵巣機能の低下が明らかではない場合でも質問紙法で更年期障害の症状を認められた方には、プラセンタ注射が選択肢の一つとなります。また、ホルモン補充療法との併用も可能です。
　更年期障害に対するプラセンタ注射は、１Aを週に2回程度の皮下注射を2週間以上可能であれば2か月位行い、その後は1-2週間に1回程度の注射と続けることにより効果が期待できます。

まとめ

プラセンタ療法は胎盤から抽出した成分を用いた治療法で、健康上の利益やアンチエイジング効果が期待されています。日本では更年期障害と慢性肝疾患治療に保険適応されたプラセンタ注射があります。安全性は高く、血液感染症の心配は少ないですが、注射後の献血はできないなどの注意点があります。更年期障害に対するプラセンタ注射は、一定期間の皮下注射により効果が期待され、ホルモン補充療法との併用も可能です。以上がプラセンタ療法についての情報です。もし他に質問がありましたら、お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせ下さい